第99回   ワールドカップサッカー。日本危うし!!
2014年6月20日  
 
 

 待望のワールドカップサッカーが始まって1週間が経ちました。大いに期待されていた日本の活躍ぶりを書こうと張り切っていましたが、今朝の時点で日本はコートジボワールに負け、ギリシャに引き分けで勝ち点1と、1次リーグ突破がほぼ絶望的となってしまいました。評判倒れの日本の戦績にがっかりして、すっかり私のモチベーションは下がってしまいワールドカップの話題はやめようかと思いましたが、自称辛口総合スポーツ評論家としては黙って見過ごす訳にはいきませんので、結局このコラムで取り上げることにしました。
 日本の初戦はコートジボワールを相手に日本時間の6月16日(日)午前10時からのキックオフでした。日曜日の午前中なので、皆さんはゆっくり観戦出来たと思いますが、私はこの日東京で日本産婦人科医会の総会があり、丁度あの時間は会議中でしたので残念ながらテレビを見ることが出来ませんでした。産科医療補償制度の改定についてとか、新生児虐待防止対策とか小難しい議題を討議していたのですが、マイクを通した大きな声の議論の合間に、付近の席から、“本田が入れた。1点リードした”と云う情報が密かに流れてきます。ほとんどが大学の教授や有名病院の院長、部長クラスの人達で60を過ぎたイイ歳のおじさんばかりですが、みんなサッカーが気になって携帯などでカンニングをしているのが微笑ましいと云えば微笑ましい光景でした。前半は1点リードで終了と云うことで、会議も心なしか華やいで進んでいました。ところが後半19分、同点にされたと云う情報が聞こえてきました。“えっ? やられたの?”とがっかりしている暇も無く、“もう1点入れられた。逆転された”とのつぶやきです。“嘘だろう?でもまだ時間はある。頑張れ! 相手はくたびれてくるはずだ”と心の中で励ましつつ、本来の議論を進めていましたが、気のせいか皆さん今一つ熱が入っていないような感じでした。やがて試合終了。負けが決まってしまった瞬間は、会議の経緯とは無関係に場内に不思議なざわめきが漂いました。それからは何となく重苦しい雰囲気で会議は進行して行きました・・・。
 元々今回の1次リーグC組は日本にとって結構厳しいグループです。先ず、FIFAランキングは日本が46位と1番下で、ギリシャは12位、コートジボワールでも23位です。唯FIFAランキングは国際マッチ数、対戦相手などに影響されますので、私としてはあまり気にしなくても良いと思っていましたが、ランキング通りの結果となってしまいました。
 ザッケローニ監督が“選手は皆技術的には世界の一流に負けない。勝てるかどうかはコンデション次第だ”と云っていましたが、そのコンデション作りに失敗したのでしょうか?。コートジボワール戦は前半もかなり責められていましたので、スタミナを前半で使い果たしてしまい、計算通り後半のために運動量を蓄積しておけなかったかもしれませんが、ギリシャ戦は最後までよく動いていました。要するに2戦とも最後のシュートの正確さでヨーロッパの一流選手より技術的に劣っていたのが原因だと思います。高温多湿の状況に合わせて、運動量を最後の最後まで落とさないように綿密なメニューを作成し、徹底的にトレーニングして、最高のコンデションで大会に臨んだはずです。成功すれば、ある意味日本のスポーツ医学、如いては科学技術の勝利のようにも思えましたが残念です。
 結果が悪かったから云う訳ではありませんが、私としては選手選考に対しても少し不満があります。予選で活躍した前田遼一選手を外して、大久保嘉人選手を入れるサプライズ選考をしたのですから、デフェンスでも名古屋グランパスの闘莉王選手を選んで欲しかったと思います。ザック監督の云う攻撃的サッカーを推し進めるなら、センターバックが出来て、しかも場合によってはフォワード的に攻めあがる彼は最適な人材だと思います。それに元々ブラジル出身の選手ですので、故郷での晴れ舞台と云うことで一層燃えるでしょう。個人的なことを云えば、名古屋グランパスの選手が一人も選ばれないのも悔しいし・・・。
 選手は不甲斐無かったですが、名誉ある開幕戦の審判団に日本の審判が選ばれました。選手より一足先に審判団が一流のお墨付きをもらったようで凄いですね。しかし、西村主審のPKの判定にクロアチアの監督、選手はもちろん、ヨーロッパ系のマスコミがこぞってクレームをつけていました。私も冷静に見てあれは少しクロアチアに可哀想かなと思いましたが、只、今回のワールドカップの審判団が、ゴールエリア内の反則には厳しく対応しようと申し合わせをしていたとしたなら、彼はそれを着実に実行したまでで、たまたま開幕戦だったために批判を浴びることになったと云うだけです。逆に各国の監督、コーチはこれが今回のジャッジ基準だと考えて選手に注意を促した方が良策と云うことになります。
 日本も1次リーグ敗退がほぼ決まりかけましたが、無敵艦隊スペインが2連敗して1次リーグで姿を消してしまいました。印象的だったのは4年前の決勝戦の相手だったオランダに1対5の大差で敗れた試合です。スペインのシャピ、ブスケツ。オランダのロッベン、ファンベルシーなど4年前の主力選手が中心となっていたのは両チームとも同じでしたが、唯、後半勝ち越されて焦るスペインをあざ笑うかのように次々とオランダのカウンターが決まって大差がついてしまいました。この結果は必ずしも実力差ではなく、展開によっては拮抗した同士でもこうなると云う典型のような試合でした。しかし、サッカー大国スペインの落日を見るような光景でしたが、予感通りチリにも敗れて沈没してしまいました。
 過って16世紀に無敵を誇ったスペイン無敵艦隊がイギリスに敗れ、後にオランダ、イギリスの時代となりましたが、皮肉にも、当時の宗主国スペインがオランダに敗れたのは単なる歴史の偶然でしょうか?。ヨーロッパの人たちはそれぞれ過去の歴史のしがらみを感じながら自国の応援をしているような気がします・・・。
  日本の決勝トーナメント進出はほとんど不可能だとは思いますが、一縷の望みを託して、日本頑張れ!!

 
 
星ヶ丘マタニティ病院 理事長 近藤 東臣  
 
 
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