第65回   8月15日に思うこと
2011年8月19日  
 
   今年も又、8月15日が巡ってきました。今回で終戦記念日も66回目を数えます。各地で戦没者追悼式などの行事が開催されましたが、ただ戦後66年も経つと、参列する遺族の数も少なくなってきたとの事です。
 又、マスメディアでは、3月に起きた東日本大震災と関連付けた論調の報道が多く見られました。遺族の方々に取っては、戦争で亡くなっても、震災で亡くなっても、肉親を失った悲しみは変わらないでしょうが、一般論で考えれば、天災と人災とでは、その意味に雲泥の差があると思います。戦争で人間同士が殺し合うと云う様な、おろかな事はもうお終いにしたいものです。
 ある新聞のコラムに元パイロットの人の随筆で、“高度一万メートルから見る地球は白い雲、緑の森、青い海に包まれ、神秘的なまでに美しい。この美しい地球を守るために、21世紀は生物の多様性だけでなく、人間も国もお互いに多様性を認め合い、戦争や争いの無い共存,共生の世紀にしたい。”と述べられていましたが、正にそのとおりで、そろそろ人間の叡智が暴力に訴えずに物事を解決しなければならない時が来たと痛感します。
 しかしながら、所謂、“戦争を知らない子供たち”の世代が国民の大勢を占めて、マスコミが戦争の悲惨さを忘れるな!風化させるな!と騒いでもほとんどの人が実感がわかず、無関心の様な気がします。それどころか、若い政治家の中には戦争放棄の憲法を改定しようと考えている人もいるようで心配です。戦後の日本の政治家は気骨の無い人ばかりで、経済は一流、政治は三流と云われて来ましたが、気骨が無かったのが幸いしたのか、66年間戦争をしなかった事は大いに評価されるべきだと私は思っています。
 私も今や、貴重(?)な“戦争を知っている世代”の一人となりました。幼かったとは云え、空襲の怖さを体験した者として、若い皆さんに“主義主張は自由、平和ボケでも良いから、おろかな戦争だけは起こさないで欲しい”と切にお願いしたいと思います。
 どうも戦争の話になると、年甲斐も無く興奮して結構過激な事を長々と書いてしまいました。ご容赦ください・・・。
 話題を変えて・・・、8月15日はお盆のお中日でもあります。通年は当院もこの日はお盆休みを取っていましたが、ちょっとした理由(私の旅行スケジュールに合わせて。この病院ではまだ私のわがままが通ります?)で今年はお盆休みを8月11日(木)から8月14日(日)までとし、8月15日の月曜日から診察を始めました。しかし、世間はお盆休みの真っ只中ですので、皆さんどこかにお出かけで、あまり患者さんはいらっしゃらないだろうと高を括っていました。ところが、予想に反して、予約は一杯となり、それ以外に予約外の患者さんが大勢いらして、時間と共に大混乱になってしまいました。あの日、予約して来院された人には、大変ご迷惑をおかけして申し訳ありませんでした。ご免なさい。
 元々30分区切りで、5名ずつ入れる様な、大雑把な予約方法ですので、一人の患者さんが長引くと直ぐ後に響いてしまい、遅い時間の予約の人ほど時間通りに行かなくなります。そこに予約外の人が入ると、益々狂ってしまい、皆さんにご迷惑を掛けている訳です。
 弁解がましいですが、基本的に患者さんの診察時間は、美容院や、エステのようにきちんと時間を決められるものではありませんので、30分で平均すれば5〜6人は診られるだろうと云う具合に大雑把な予約しか出来ないのです。だから当院の予約は大よその目安位に思っていてください。時々、“これでは予約制の意味が無い”と事務員や看護師がお叱りを受けているようですが、診察を延して予約時間を狂わせているのは、我々医者と時には患者さんですので、ご容赦ください。それでも、予約制の無かった頃に比べれば、患者さんの待ち時間は30分から1時間位短くなりました。
 弁解ついでに云うと、分娩予約の部屋種別についても、予約通りの部屋に入れなかったと怒られることがありますが、これもホテルの予約と違って、分娩予定日通りに入院する人はほとんどいませんので、結局、ダブルブッキングのようになってしまうことがあります。この辺もご理解いただきたいと思います。
 弁解はこれ位にして、最新医療情報を一つ。8月15日ではありませんが、今月26日に、新しいタイプの子宮頸がん予防ワクチン商品名“ガーダシル”が発売される事になりました。既に1昨年の12月から、子宮頸がん予防ワクチンとして商品名“サーバリックス”は発売されていますので、このコラムの愛読者(?)の皆さんの中には接種された方もいらっしゃるかと思いますが、新製品は従来から発売されている製剤がHPV(ヒトパピローマウイルス)16型、18型の2価のワクチンであるのに対し、HPV 6,11,16,18型の4価のワクチンと云う事です。子宮頸がんの主な起因ウイリスはHPV 16,18型ですので、従来の物も、新製品も、子宮頸がんの予防に対しては効果にあまり差はありませんが、HPV6,11型が原因の90%を占めていると云われる尖圭コンジローマの予防に対しては新製品が威力を発揮します。ちなみに尖圭コンジローマは外陰部,肛門周囲、膣、子宮頚部などに好発する“いぼ”の一種で酷くなると痛みを伴い、再発を繰り返す厄介な病気です。その他、HPV6,11,16,18型に起因する外陰上皮内腫瘍、膣上皮内腫瘍の予防にも効果があります。こうして説明して行くと、先発の“サーバリックス”より、“ガーダシル”の方が、薬効的には優れていると思われますが、話はそんなに簡単ではありません。先ず現在サーバリックス接種中の方は変更が効きません。一方、値段はガーダシルの方が高いようですし、公費負担も通っていません。今後この二剤をどう振り分けていくのか問題は沢山残っています。
 お盆明けの忙しさと、連日の暑さの性でしょうか、年寄りの独りよがりのような駄弁を種々並べてしまいました。ご免なさい・・・。
 今回は謝ってばっかり・・・。 
 
 
星ヶ丘マタニティ病院 理事長 近藤 東臣  
 
 
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