第153回   不妊治療連絡カードの活用を!
2018年12月20日  
 
 
 12月に入ってもコートもいらず、それどころか"夏日"もあって、今年は冬が来ないのか、地球も病んでしまったかと少し不安になりましたが、10日ほど前から急激に冷えこんでやっと冬らしくなりました。
 これだけ寒暖差が激しいと、体調管理も大変です。寒暖差によって体調が崩れることを寒暖差疲労と云いますが、身体の冷え、食欲不振、めまい、だるさ、頭痛などの症状が出て、悪化すると自律神経失調症になります。この病気は今の季節だけでは無く真夏の猛暑の時に外気と冷房の温度差でも起こります。
 テレビのニュースで体調不良を訴える人が増えて、病院に罹った人が昨年の2倍になったと伝えていました。対策としては身体を冷やさないことが大事ですが、昔からよく言われている、首、手首、足首の3首を温かくすることが最も効果があるようです。
 皆さんも寒暖差疲労にならないよう気を付けてください。

 さて、m3(医者向け情報サイト)に"日本生殖医学会はこのほど、厚生労働省より「不妊治療連絡カード」の周知依頼があったとして、診察の際などに同カードを周知するよう呼びかけた。"と云う記事が載っていました。
 近年、不妊治療を受ける夫婦の増加に伴い、働きながら不妊治療を受けたい夫婦も多いと思われますが、仕事と不妊治療との両立が出来ず、離職している人が16%もいると云うことです。不妊治療ではかなり頻繁に通院する必要がありますが、患者自身が企業に対してその理由を説明することは難しいので、このカードで不妊治療に関する一般的な情報や、必要な通院日数の目安などを例示し、企業に対して治療中の配慮を求め、仕事と不妊治療の両立が出来るよう職場や上司の理解を得ようと云うものです。
 また、不妊がいわゆる身体的な病気であるかどうかは難しい点があるので、"不妊治療のために休暇を要する"とか、"何カ月の安静を要する"とか云った診断書は書きにくいこともあり、医師の署名欄を設けて診断書替わりの役も務めています。
 このカードが企業における不妊治療を対象とした休職・休暇制度や治療費補助制度などの確認資料として使用されることを想定して、厚労省が周知を呼び掛けたと云う訳です。
 不妊治療を受ける人が休職とか離職とかしないで普通に休みを取り、働きながら治療が出来ることになるようですので、是非このカードを会社に提示して有効活用してください。
 一方で、私が以前から考えていたことは、このカードを医療間同士でも活用したいと云うことです。不妊症の患者さんが転居などの理由で転医される時に前医の紹介状は持って来られますが、これは概要であって、今一細かい治療経過が解りません。患者さんもそれほど専門的には答えられないと思いますので、このカードがあれば経時的な治療経過が解り便利です。又、めでたく妊娠して以後の妊婦健診や分娩のために来院された時にも、治療内容がはっきりすれば以後の妊婦さんや胎児管理などの参考になるのでぜひこのカードを活用して欲しいと思っています。

 蛇足ですが、不妊に関してこんな記事を見つけました。参考までに・・・。
今まで、母親が高齢になるほど生児出生率が低くなることは知られていましたが、高度生殖補助医療では父親の年齢はあまり関係ないと考えられていました。確かに年齢と共に精子数、運動率は落ち、奇形率は上がりますが、それでも何千万もいる精子の中から一番元気そうな1匹を取り出して受精させる訳ですから、問題ないだろうと思っていました。ところが米ベス・イスラエル・ディーコネス医療センターのLaura Dodge氏らが実施した研究で、父親の年齢も不妊治療の結果に影響することが示されました。母親は同年齢でも父親が高齢になるほど体外受精による生児出生率が低下することが分かったと云うことです。
 Dodge氏は今回の研究で、そのメカニズムについては、はっきりとは分からないが生児出生率に男性の年齢が独立して影響することが示されたと結論づけています。
 男性も早めに子作りに取り組みましょう!!
 
 
星ヶ丘マタニティ病院 理事長 近藤 東臣  
 
 
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