第94回   思春期は人の初春、繊細なり!
2014年1月20日  
 
   愛読者の皆さん、遅ればせながら、明けましておめでとうございます。今年もお付き合いの程よろしくお願いいたします。
 さて、“一年の計は元旦にあり”と云うことで、皆さん、それぞれ今年の計画を立て、中には既に着々と実行に移している人もいらっしゃると思います。
 私も一応考えてはいますが、この年になって出来ることの範囲も限られてきましたし、段々望みも小さくなって、以前のように他人に云えるような夢多き目標はありません。それ所か、そんな小さな目標ですら、ほとんど実践出来ない年が多くて、毎年有言不実行になってしまいます。これでは如何にも見っとも無いので、今年は内緒にしておきます。
 その代りと云っては何ですが(大物過ぎて私の代わりなど大変失礼ですが)、日本の宰相、安倍晋三総理大臣の年頭所感を載せることで代えさせていただきます。長文の年頭所感の中で、春秋時代の名宰相・管仲の言葉を引用して“一年の計は、穀を樹うるに如くはなく、十年の計は、木を樹うるに如くはなく、終身の計は、人を樹うるに如くはなし”。即ち“目先の課題への対応も重要ですが、十年先、百年先の日本の未来を切り拓いていくことも、忘れてはなりません。そして、そのためには、小手先の対応ではなく、将来あるべき姿を見定めた、真の改革が必要です”。と述べられています。細かい論評は避けますが、要するに“私は国家百年の大計を考えて政り事をしているのだから、君ら外野が目先のことをごちゃごちゃ云うな”と云うことらしいです。大丈夫ですか?。裸の王様にならなければ良いですが・・・。
 序に、野党民主党の海江田万里代表は新年の挨拶で“今年は甲午の年なので、物事の始まりを意味し、前に通用していたものが通用しなくなり、激しく動いて抵抗する年だ。即ち、野党が勢いを増す年だ”として民主党の巻き返しを主張していました。思い通りになりますかね〜・・・?
 どうも、前書きが長すぎていけません。この傾向は今年も続きそうですのでご勘弁ください。それでは本題に入ります。
 年の初めですので爽やかに、人の初春、思春期について考察したいと思います。
 思春期とは、第二次性徴が始まって、やがて生殖能力を持つ、心身ともに子供から男女別々の大人に変化していく時期のことを指します。個人差はありますが、女性では平均的に11才頃より始まります。身体的変化として、下垂体で性腺刺激ホルモンが分泌を始め、その刺激によって卵巣からエストロゲンと云う女性ホルモンが分泌されて第二次性徴が始まります。外見的には、先ず乳房の発達(おっぱいが膨らんできます)。それから、外陰部の成熟(お饅頭のような外陰部が小陰唇の発育で開いてきます)。そして陰毛が生え始めます。しかし、この時期最大のイベントは何と云っても初潮、月経の始まりです。日本では大人になった証として赤飯を炊いてお祝いをする習慣がありました。それを見た男の兄弟が、“お姉ちゃん、誕生日でもないのに何で祝ってもらうのだろう?”と不思議がったものです。今でもこの良き習慣は続いているでしょうか・・・?。その他の変化としては、皮下脂肪の増大、骨盤の発達、ヒップがふっくらと膨らんで丸みを帯びるなどがあります。
 男性の第二次性徴は女性ほど顕著ではありませんが、それでも色々あります。精巣が発育し、テストステロンやアンドロゲンと云った男性ホルモンが分泌されて、陰茎の長大化、陰毛の発生、声変わり、筋肉の発達などが起こりますが、やっぱり最大の特徴は、精通と云って勃起して射精することが可能になり、生殖能力が備わったことです。
 余談ですが、この精通は夢精として初体験することが多いです。何となくエロチックな夢を見て、気持ちも良くなって、ハッと気が付いたらパンツが汚れていたと云う事態になります。W寝小便した訳でもないのにおかしいな〜“。エッチな夢を見た後なので、何だかいけないことをしたような気がして、パンツの始末をどうしようかと迷います。ここで、この年頃の男の子を持つママへのお願いです。“まぁ〜、いやらしい、汚いね”とか否定的な言葉を云わないでください。赤飯を炊いて祝ってやれとまでは云いませんが、“これは夢精と云って生理的なことだから、恥ずかしくないよ。あなたも大人の仲間入りをしたってことね。ママがちゃんと洗ってあげるから汚れたパンツは隠さなくていいよ”と、男の子に対する最初の性教育を優しく肯定的にして欲しいのです。
 思春期は、身体だけでなく心も変化します。唯でさえ、急激に変化する身体に戸惑い不安定な精神状態ですが、その上、親離れと自己主張が芽生えます。しかし、離れてゆくべき親そのものが同時に自分を支える環境であるという矛盾が思春期の特徴でもあり、この矛盾は、しばしば周りの大人から不可解な行動として映ります。所謂第二期反抗期ですが、反発していても親や家庭の安らぎが大切で、何かあった時には受け止める環境を作っておくことが重要です。一方で、異性に対する特別な感情、初恋を経験します。大抵は切なく破れてしまいますが、これも大事な経験です。いずれにしても、思春期はちょっとしたことで傷つきやすい時期ですので、下手に介入するよりはそっと見守っていて “ママは何時もあなたの味方だからね”と云う姿勢が一番良いと思います。
 途中からお母さんに対する教育セミナーみたいになってしまいましたが、最後に思春期の特徴的な病気についても少し解説しておきます。初潮の後、月経不順になる子が多いと思いますが、元々無排卵性の月経ですので、不順でも心配はいりません。15才位までは様子を見てください。逆に15才になっても初潮の無い子、月経痛のきつい子、量の多すぎる子は受診した方が良いでしょう。稀ですがこの年頃になって月に1回、強い下腹部痛のある子は膣閉鎖などの疾患もありますので1度病院に罹ってください。精神面でも不安定で、摂食障害、過呼吸症候群、自律神経失調症、家庭内暴力、登校拒否、引きこもりなどの心の過敏さや人間関係の失調などに関わる疾患に罹ることがあります。
 いずれも早い時期に専門医を受診させてください。
 
 
星ヶ丘マタニティ病院 理事長 近藤 東臣  
 
 
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