第7回  子宮内膜症の予防には早めの妊娠が一番 2005年9月20日  
 
   最近、月経困難症、いわゆる生理痛のひどい人が増えています。その主な症状は、激しい下腹部痛、腰痛、吐き気等ですが、中には頭痛や、脳貧血を起こして倒れる人もいます。
今朝も会社で倒れてしまったと言う29歳の独身の方が救急車で運ばれてきました。
苦痛で身体を九の字に曲げ、顔面蒼白、脈は頻脈、血圧は低く、当然性器出血もあり、本当に生理痛なのか、ひょっとして子宮外妊娠の破裂ではないかと疑わせるような重篤な症状でした。しかし諸検査の結果生理痛で間違いなく、痛み止めの処置をして症状は納まりました。
 この方もそうでしたが、月経困難症の元疾患として子宮内膜症と云う病気に掛かっている人が大勢います。この病気は子宮内膜が子宮の基底層以外の所に異所性に発育するもので、年令と共に増悪していきます。ひどくなると子宮腺筋症と言って子宮そのものが子宮筋腫のように大きくなる人もいます。そうなると生理痛だけではなくて、月経血の量も多くなり、ほんとの貧血になってしまいます。
治療法は軽症の内は、まず痛み止めを飲むと言った対症療法ですが、これでは子宮内膜症の改善には効果がありません。子宮内膜症がある程度進行していれば、ホルモン療法で半年ぐらい生理を止めて治療します。それでも駄目なら、手術療法となります。その場合は卵巣を取ったり、最悪の場合子宮を取ったりしなければなりません。そうなると子供も出来ない身体になってしまいます。
 以前はこれほど月経困難症の人は多くいませんでした。多くなった理由に、食事の変化、ストレスの増加等が云われていますが、もう一つ重要な原因に初回妊娠の高齢化が挙げられます。ホルモン療法のことを別名偽妊娠療法とも云って、妊娠は子宮内膜症の自然の治療法なのです。昔は20代前半に初回妊娠をしていたので、子宮内膜症が悪くなる前に自然治療をしていた事になります。そして2回、3回と妊娠する事によって、子宮内膜症はほぼ完治してしまったのでしょう。前にも書いたと思いますが、高齢初産はそれだけで妊娠そのものがハイリスクです。ですから子宮内膜症にならない事も含めて、少しでも若いうちに子供を産みなさいと私は機会あるごとに提言しています。若い時と云ってもなにも15や16才で産めと言っているのではありません。大学を卒業した後25才ぐらいまでに産んで頂ければ充分です。しかし、今の女性の人生サイクルからは全く外れたこの提唱は、老医師の時代錯誤の的外れなたわ言と一蹴されるのでしょうね。
 
 
 
 
 
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