第44回   秋たけなわ。秋の味覚に魅入られて
2009年11月20日  
 
   秋たけなわです。山々は紅葉に色づき、田畑は黄金の実りに輝いています。皆さんは秋の夜長を読書三昧ですか。それとも味覚の秋で食欲増進、肥りの秋ですか(失礼)。或いは早くも秋の風(風邪)ですか。今年は季節性インフルエンザだけでなく新型インフルエンザも加わって大騒ぎになりました。新型インフルエンザワクチンも、足りるの足りないの、誰から打つの、何時から打てるのと、行政の不手際に振り回されっ放しでしたが、やっと目途が立って接種出来る様になりました。このコラムが出る頃には皆さん既に打ち終わっているかもしれません。晩秋で寒くなり、これからが本当のインフルエンザの季節ですので、打った人もまだ打ってない人も充分気をつけてください。ひょっとして読者の皆さんの中には新型インフルエンザワクチンに関するこのコラム流の的確な(?)解説を期待していらっしゃる方もいたかもしれませんが、この話は最近毎日患者さんに説明して少々食傷気味ですので、期待を裏切って今日は秋の味覚を楽しんだお話をします。
我、和合ロータリークラブにはA級グルメの会と、B級グルメの会の二つのグルメ同好会があります。元々はお値段は少し張るが、料理も雰囲気も特上の有名店や、老舗でなかなか一見では行けないような店、或いは隠れた美食の評判店などを見つけて出掛けていたのですが(これが仲間うちのグルメ同好会の普通の姿だと思いますが)、何処にでもへそ曲がりはいるもので、数年前に、この高級志向のグルメ同好会に反旗を翻して、高級品ばかりがグルメでは無い。庶民的な食べ物にも美味しい物は幾らでも有る。と云う訳で、店は汚い、予約も取れない、サービスも良いとは云えないが、味は旨くて値段も安い。そんな店を探して食べ歩く会を立ち上げ、B級グルメの会と名付けました。これに対し従来の会は必然的にA級グルメの会と呼ばれる様になりました。
このB級グルメが結構面白い。とに角美味しいと云う事が唯一の条件で、他の事には目をつぶると云うのがルールですが、例えば、白金町の串かつ屋。予約が出来ず、すぐ満員になるので5時開店に合わせて並んで入る様な店で、確かに店は綺麗とは云えない、サービスが良いとも云えない、それどころか味噌の付け方まで注文を付けられましたが、串かつは文句無しに美味しかった。又、中央卸市場の側の一応和食風料理屋。そこはカウンターと上がり座敷を合わせても14〜5名しか入れない小さな店で、母娘二人で切り盛りしているので、料理を作るのが精一杯。お酒やビールは全てセルフサービスで勝手に取り出して飲み、会計は後から空き缶を数えて計算するシステム。料理も手渡しで廻さないと奥の客まで届かない。もちろん食べ終わったお皿は自分でカウンターの端に戻さないと机が満員になって新しい料理が乗らない。料理法も焼くか、煮るか、それとも刺身と単純。しかし出てくる食材は魚市場から直送の新鮮な物で、竜宮城ではないが、鯛や平目、鮑に蛤、その上伊勢えび、ズワイ蟹といった高級食品がこれでもかと出てきて大満足、しかもこんなに安くて良いのと云う値段でした。円道寺のホルモン焼き屋もビックリしました。何と云ったら良いのか上手に説明出来ないのですが、とに角変な物体を炭火の上の網で焙っているとだんだん原型が現れてもつの形をしてきます。どんな味か表現するのも難しいのですが、これまた結構美味しい。ただニンニクその他の香辛料の臭いが凄いので、上着などはビニール袋に入れられて別室に保管され、合羽の様な前掛けをして食べるのですが、とてもそれ位では防ぎきれず、後で行ったお店で散々嫌がられました。但し、B級グルメの会は当たりばかりではありません。外れも時々あります。個人の好みもありますので、私の主観だけで決めてはいけないと思いますが、錦三の小さなラーメン屋、そこで出る小ぶりの醤油ラーメンは絶品だと云う事で、わざわざ大の大人が10人ほどで出かけたのですが、これ美味しい?と云う感じで、自宅近くのソバ屋のラーメンの方が美味しいと思ったくらいです。これは飲みすぎた後、夜中を過ぎて小腹がすいた時に食べると美味しいのだろうと結論して、推薦者の顔を立てました。この他、名妓連御用達のお好み焼き屋も、お座敷が跳ねた後、名妓連のお姉さんと一緒に行けば美味しいのかなと云う程度で外れでした。
B級グルメの話が長くなりましたが、先日行ったのはA級グルメで、三重県桑名市の“友三郎”と云うフランス料理店です。私の知らない店でしたので、前知識を得ようとパソコンで少し調べてみましたら、口コミ情報ではかなり評判の良い店で四つ星、五つ星が付いていました。隠れ家的雰囲気の店で、店員のおもてなしの心が行き届いており、リーズナブルなお値段でも充分美味しく、楽しめるとの事でした。なるほど行ってみると、町外れの民家の一角に密かに佇む隠れ家で、地図も貰って、カーナビもつけて行ったのですが、それでも迷いそうな処でした。一緒に行った一人が“よくこんな町外れの解りにくい処に店を開いたな。自分にはこんな場所で店を出す勇気はとても無い”と云っていましたが、残念ながらこの知る人ぞ知る秘密の人気店も、昨年来からの不況のあおりをくって今年一杯で閉店するそうです。そんな事もあってぜひ閉じる前に体験してみようと今回の企画となりました。お店は古い民家を改造したのでしょう、店内は昔の日本家屋の西洋式応接間と云う雰囲気でレトロなムードが漂っていました。料理は一捻りされた創作フランス料理の趣で、一品一品が凝った物でした。例えば、皿の中から美しいメロディーが聞えてくるような、“魚介類のピンクグレープフルーツがけ”は優しい味の中にほのかな甘い香りが漂い、”季節のポタージュとロワイヤルの二層仕立て“は久しぶりの絶品料理でした。フランス料理はソースが決め手と云いますが、どの品も正にソースが美味でした。“こんな素敵な美味しい店が無くなるのは残念ですね”と帰りの車の中で話し合ったのですが、高級店ほど不況の影響を受けやすく、この不況に耐えられなかったようです。それに引き換えB級グルメ店は逞しく、したたかでこの位の不況は何とか凌ぎ切っているようです。
 この頃、不況だ、インフルエンザだと怖い事が多すぎますね。折角の秋の夜長をもう少し楽しく過ごしたいものです。
 
 
星ヶ丘マタニティ病院 理事長 近藤 東臣  
 
 
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