2021年4月19日
第181回
やっと新型コロナワクチンを接種した
 先週の金曜日にやっと新型コロナワクチンの第1回目を打ちました。最初の政府発表のスケジュールでは、医療者は2月の中旬、高齢者は3月、一般の人は4月から接種し始めて夏までにはほぼ希望者全員が終了するはずでした。
 確かに2月に打てた医療機関もあってテレビで盛んに報道していましたが、その後2~3の公的病院が接種出来ただけで延び延びになってしまい、一般の医療機関は2ヶ月先伸ばされてやっと始まったばかりです。
 従って、高齢者も遅れ遅れになっています。しかし、一部の地域で高齢者の接種が始まって、未だワクチンを打ってない医者が高齢者に注射すると云う奇妙な逆転現象が起こりました。これは国が各自治体に医療者用、高齢者用と区別して配布するので、医療者用が行き渡らなくても、高齢者用は高齢者に打たなければならないと云う事情があるからです。もちろん、高齢者にも打ち始めたぞと云う政府のパフォーマンスが見え見えです。
 いずれにしても、東京オリンピックまでに社会的免疫を作ると云う当初の目論見は見事に失敗したことになります。おそらくワクチンが浸透して社会的免疫が出来るまでには今年一杯掛かるでしょう。東京オリンピックはどうなるのでしょう。特にパラリンピックが心配です。
 そもそも、予定より大幅に遅れたのは、ワクチンの輸入が思惑通り行かなかったからです。政府の読みが甘かったのでしょう。世界中でワクチンの争奪戦が始まり、特に血栓症などの副反応が出てからは比較的安全なファイザー社製ワクチンの奪い合いとなり、会社があるアメリカと工場のあるヨーロッパが優先され日本は後れを取りました。
 それなら、国産のワクチンでとならない今の日本のワクチン研究のレベルが残念です。それと云うのも、日本の社会、特にマスコミが社会全体の有益性より個人の被害を重視する風潮なので、子宮頸がんワクチンの副反応の時のように、もしワクチンの副反応で何か起これば社会的非難が非常に厳しく、会社のダメージが著しく損なわれるので日本の製薬会社がワクチン研究から手を引く傾向にあったからです。
 下世話な勘繰りですが、ファイザー社は今回のワクチンでどれだけの利益を得るのでしょうね。日本も確保のためにかなりの高値で交渉したでしょうし・・・。
 さて、副反応についてテレビなどで大袈裟に取りざたされていますが、私の場合はどうだったか報告します。先ず注射は他の筋注とあまり変わらない程度の痛さでした。注射局部の腫れも発赤もなく、夕方から翌土曜日にかけて、注射部位の痛みが出ましたが、発熱や倦怠感はなく、午前中は何時ものように診療をしました。日曜日には痛みも引いてゴルフに行きました。老人なので反応が鈍いのかもしれませんが、逆に効いているのか心配になるほどです。要するに副反応と云えるほどの症状はありませんでした。皆さんも予約票が来たら是非接種してください。感染予防の方が大事だと思います。
 最近又感染者数が増大してきました。大阪などはどうして?と云う位爆増しています。東京も名古屋も増えて来てこの分だと第4波になりそうです。否、もう入っているかもしれません。既に蔓延防止等重点措置が17日から愛知県にも適用されました。このまま推移すれば緊急事態宣言の再発令もあり得ます。
 感染拡大とワクチン接種とのせめぎ合いです。そんなことにならないように一日も早いワクチン接種の普及を期待します。