第134回   星ヶ丘アメニティクラブが20周年!
2017年5月22日  
 
 

 私共、医療法人東恵会が運営する介護老人保健施設 星ヶ丘アメニティクラブがこの5月に目出度く20周年を迎え、それを記念して5月14日の日曜日に市内のホテルで祝賀パーティを開きました。当日はアメニティクラブの職員だけでなく、マタニティ病院の職員も加わって東恵会全体で賑やかに祝ったのですが、開院当初のことを考えれば良く20年頑張れたと感慨深いものがあります。
 祝賀会の中に”理事長独白”と云う、このアメニティクラブの設立の経緯とか、私の思い入れとかを熱く語るコーナーを作りました。実は10年前にも10周年記念パーティを同じホテルで開催し、その時にも”理事長独白”で熱い思いを語り、その一部をこの理事長コラムに書いた覚えがあります。同じようなことを又読むのは、10年前からの愛読者の皆さんには二番煎じになるかもしれませんので、今回はパスしていただいても結構です。でも以下は職員に対して語った要約です。

 早いものでアメニティを創設して、もう20年の歳月が過ぎました。開設当時のことを知っている職員も少なくなりましたので、開設当時の経緯について少しお話をして、アメニティの原点と云うか設立の理念を再認識して欲しいと思います。
 何故20年も前に産婦人科医である私が老人医療に関わったか?。当時、世間では少子高齢化を見越した経営的戦略手段で、ゆりかごから墓場までの領域を網羅した先見性のある卓越した経営手腕だと褒めてくれる人もいました。しかし、正直言って私自身はそんな先見性とか戦略性と云った経営的な観点からこのアメニティを作った訳では無くて、もっと単純な動機で、よく言えば社会正義的な、世の中に対する義憤的な、はっきり言えば自己満足的な発想で始まりました。でもこの時の発想がアメニティの原点です。
 事の発端は、もう今から25年位前になるでしょうか。親戚の親御さんを老健に紹介することになり、当時、確か4〜5軒しか無かった名古屋の老健を見学して廻りましたが、どこも暗くて侘しい雰囲気で、老人独特の悪臭が漂い、入所している人達も無表情で活力がありませんでした。まるで姨捨山と云った感じで、こんな所へは自分の親は入れたくないなと思いながら帰途に着いたのを覚えています。しかしそんな所でも満員で何時入れるか目途が立たないと云うことでした。
 そもそも敗戦後の日本の復興に尽力して、今日の日本を築き上げてくれた我々の親の世代が年を取ったからと云ってこんな風に厄介者扱いされて良いのか? もっと大事に遇されるべきだろうと云う思いがたぎりました。段々その思いが強くなって、それならいっそ、そんな我々の親の世代の憩いの場所を私が作って先鞭をつけようと決心したのです。幸いな事に私は医者でしかも医療法人のオーナーである”最も条件の揃った俺がやらずに誰がやる”と正義感に燃えました。その頃、私も年取った親の面倒を看る世代に成っていましたので、その世代が老健に期待するアイデアが色々浮かんできました。”自分の親を入れることが恥ずかしくない、それどころか自慢になる、そして何よりも入った本人が生き生きとして活力のある毎日を過ごせる老健を作ろう”。”いずれはお年寄りが老健に入所することが当たり前の時代になるだろうから、その先鞭をつけるような理想的な施設を俺が作ってやる”と意気に燃えてどちらかと云えば、先進的とか経営的とかでは無くて、前後の見境のない発作的な発想からこのアメニティは生まれることになりました。しかし、これが私のアメニティクラブを作った基本的なコンセプトで今も変わらない精神です。
 当時は国の政策で老健や特別養護老人施設を増やすよう、色々な優遇策を打ち立てていて、タイミングも良かったし、それこそ今後の老齢化社会に向かって経営的戦略としても素晴しいと、多少色気も出て、早速計画実行と云うことになりました。
 一杯の夢と理想を積み込んでスタートした星ヶ丘アメニティクラブは当時突出の老健だと自負できる出来栄えでした。しかし、調子に乗って大きな借金をしてほぼ理想通りの施設を作ったところ、後になって次々と優遇策が廃止されたり、規制が厳しくなったりして、まるで2階に上がって梯子をはずされたようなことになり、初期投資の予想外の膨張と人件費の多さも重なって、かなりの額の赤字経営が続きました。
 余談ですが、この種のことは医療政策の中で度々起こります。厚労省による一種の国家的詐欺のようなもので医療関係者は度々煮え湯を飲まされていますが、この話をロータリークラブでしたところ、そんなことは医療に限らず、どの分野でもよくあることだそうで、別に同情もされませんでした。世の中は厳しいですね〜。
 しかし、職員諸君の懸命の努力によってやっと平成17年度から黒字に移行しました。これでようやく純粋社会奉仕のボランティア事業から脱却出来て正直ホットしています。
 赤字で苦しんでいたことを考えると、今日こうして立派な20週年パーティが出来るなんて夢のようで感慨深いものがあります。改めてアメニティの諸君の努力に感謝します。しかし、まだまだ褒めてばかりもいられません。逆に当初の精神を忘れかけている部分もあります。何故この老健があるのか設立の精神に戻って、これからの介護を続けてください。
 私も幾ら赤字経営の時期でも、”貧すれば鈍する”と云う様なことになりたくなかったから創立の精神を崩してまで経営能率を上げるようなことはしませんでした。誇りを持てる仕事で無ければ幾ら儲かっても虚しい。夢を追い、理想に向かって、志を持って仕事をしたい。自己満足と云われるかもしれないが、世のため、他人のためになる仕事をしよう。大げさに云えば私は何時もこんな気持ちで働いていることを判っていて欲しいです。
 当初は親の世代のために作った老健ですが、もう少しすると私自身が入るための老健になりそうです。この20年を一つの区切りとして考察し、改善すべきは改善し、伸ばすべきところは大いに伸ばし、一層の努力を続けて、是非私が入りたいと思う老健に成長させてください。職員諸君どうかよろしくお願いします。
 と云うことで締めました。  

 
 
星ヶ丘マタニティ病院 理事長 近藤 東臣  
 
 
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