第71回   インフルエンザの猛威。今年も!!
2012年2月20日  
 
   1月の終わり頃から急にインフルエンザが流行りだし、2月に入って、全国的に大流行の兆しを示しています。先日の新聞報道では、211万人の人が罹患したとの事で、この1ヶ月でインフルエンザ警報地図は全国とも真っ赤になりました。これは1昨年の新型インフルエンザの時よりも猛威の状況で、統計が始まって以来、2番目の罹患率だそうです。当院でも内科や、小児科は大賑わいで、特に小児科はてんてこ舞の忙しさです。今年は2〜4才の子供に罹患者が多いようですが、原因は今年のインフルエンザの主流がA ホンコン型で5年ぶりの流行のため、2〜4才位の子供には抗体が無いためだと考えられています。子供の場合は、油断するとインフルエンザ脳症を併発することもあり、そうなると生死にも関わるので特に注意が必要です。症状が出たら、素人療法よりも早く病院を受診した方が安心です。
 よく小児科の医者が“我々は季節労務者のようなもので、忙しいのは冬だけです”。と嘆いていますが、まさに今年はその形相を呈しています。ただ名古屋はこの処少しピークを過ぎたような気がしますが、それでもまだ混雑しています。しかし、あやしいと思ったら遠慮せずにすぐ来てください。小児科医は使命感に燃えて診察する筈です。ただ少しお待たせはするかもしれません?。いや多分するでしょう。
 一方、産婦人科へはインフルエンザの患者さんはあまり受診されませんが、妊婦さんが罹らない訳では無くて、罹った人は、内科で治療を受け、治るまでは健診に来ないで自宅待機をしておられるからだと思います。インフルエンザは早く診断して重症になる前に治療することが大事ですが、感染症なので、他人にうつさないことも大事です。最近はタミフル以外にも新世代の特効薬が出来ましたので、比較的早く熱は引いて元気になります。しかし、ウイルスはまだ残っていますので、解熱後最低2日間は他人と接触しない様に指導しています。会社や学校を休むのは、忙しいのに申し訳ないと思われるかも知れませんが、むしろエチケットだと考えてください。同じ意味で、妊婦さんも自分のインフルエンザが治っても暫らくは妊婦健診に行かないのが、他の妊婦さんに対するうつさない為の配慮かと思います。
 余談ですが、病院は消毒が行き届いていて清潔できれいと云うイメージがあるようですが、それは大間違いで、特に外来の待合室などはバイ菌のるつぼです。色々な病気の患者さんが集まって来る訳ですから当然ですが、自分の病気は治ったけど、外の病気を拾って来たなどと云う笑えない笑い話は有り得る事です。
 我々医療者は最も深刻で、毎日感染症の患者さんたちと接して居る訳ですから、うつらないのが不思議な位です。だからさぞ徹底的な対応策を取っているだろうと思われますが、以外と単純で、マスクと手洗い、そしてうがい位です。ただ手洗いは水洗いだけではなく、消毒液を使って患者さん毎に丁寧にします。それは自分がうつらない為もありますが、次の患者さんにうつさない為です。マスクは予防の為にすることが多いですが、私は患者さんをバイ菌扱いしているようで失礼な気がするので自分が罹って患者さんにうつすと思った時以外はしないようにしています。ただ、内科や小児科は感染症の患者数が違いますのでそんな余裕はありません。医療者が倒れてしまっては元も子もありませんので、自衛のためにマスクをしてもらっています。一方、患者さんが待合室でマスクをするのは感染予防として良いので是非してもらいたいのですが、診察室では逆にマスクを外して欲しいと思います。マナーとか云う事の他に、病気の診断には顔つきとか顔色とかが大変重要ですので、医者は以外と患者さんの顔を良く見ています。(最近の医者は電子カルテのパソコン画面ばかり見ていると思われがちですが・・・)だから見えるようにして欲しいのです。
 余談が長くなりましたが(何時もの悪い癖です)、これから皆さんが一番知りたいであろう“妊娠とインフルエンザ”についてお話します。
 先ず、妊娠中のインフルエンザワクチンの接種については、インフルエンザワクチンは不活性化ワクチンですので、全妊娠中を通じて胎児への影響は考慮しなくて良いと考えられています。ですから、迷っていらした方には打つように勧めていました。今年のワクチンにはA ホンコン型も含まれていますので、それなりに効果は有ったと思います。しかし、打っても罹った運の悪い人もいたかもしれませんが、でも重症にはならずに済んだはずです。ただ、最近になって“これからでも打った方が良いですか”と聞かれますと“悪くは無いけど・・・?”そろそろピークも越しそうなのでもう必要ない様な気もします。
 次に胎児への影響ですが、インフルエンザウイリスの直接的影響は全妊娠中を通じてないと考えられています。ただし、2次感染を起こして重症化すれば、それによる影響はあるかもしれません。
 最後に罹った場合の治療は、早めに(48時間以内に)抗インフルエンザウイリス剤を投与する事で軽症に抑えることが出来ます。これも、胎児への影響は無いとされているものがありますので、安心して使用してください。要は重症にならないことの方が大事です。
 しかし、一番大事な事はインフルエンザに罹らないように予防する事です。インフルエンザは飛沫感染が主な感染経路ですので、出かける時にはマスクをし、帰宅したら面倒くさがらずに手洗い、うがいを遂行してください。又休養、睡眠を十分にとり、栄養のバランスのよい食事を摂ることも大切です。
 今年は、インフルエンザばかりでなく、ノロウイリスや、マイコプラズマ肺炎など感染症オンパレードの冬になりました。そして、早くも花粉症がちらほら出始めています。
 皆さん、くれぐれもお身体お大事に!!
 尚、妊婦とインフルエンザの詳細は、第21回 理事長コラム、“どうする!妊娠中のインフルエンザ対策(2007.12.20)”を参照してください。
 
 
星ヶ丘マタニティ病院 理事長 近藤 東臣  
 
 
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