第56回   秋の夜長を楽しもう!
2010年11月19日  
 
   今年は天候不順で、夏の極暑から一気に寒い晩秋となりました。丁度良い気候はあっという間に過ぎてしまいましたが、それでも秋の夜長は落ち着きます。
 書斎に篭って読書をするも良し、駒を並べて詰め将棋に挑戦するも良し、中秋の名月を眺めながら、一句ひねるも又、乙なものです。もう少し若ければギターを爪弾きながら、恋人(奥方…?)に愛をささやくのもロマンチックでしょう(奥方相手ではキザなだけですか・・・。“女房酔わせてどうするの?”みたいなものですね)。
 いずれにしても、唯ぼんやりとテレビを観ているだけでは侘びしすぎて、もったいないひと時です。
 年のせいかも知れませんが、今の私には春の華やいだ雰囲気よりも、なんとなく儚(はかな)げな秋の風情の方がより一層好ましい気がします。役職も降りて、夜の診察や当直も免除され、精神的にも、時間的にも余裕が出来て、やっと秋の夜長を楽しめる環境になりました。
 そこで、さあ、趣味三昧に過ごすぞ!と、張り切ってみましたが、その素地がまるで出来ていないのに気付き愕然としました。思えば若い頃から今日まで、ず〜と、継続して没頭した“これが趣味です”と云えるようなものが何もありません。いったい私は若い頃何をして過ごしていたのだろうと悔やみます。
 子供の頃、親が押し付けた油絵、書道、ヴァイオリンなどの習い事は、友達と遊ぶ時間が無くなるので、イヤでイヤで仕方が無かったから、当然身が入らず、高校受験を理由に、全て止めてしまいました。しかし、自慢じゃありませんが、嫌さ加減とは裏腹に結構上手でコンクールで賞を取ったりしていました。このうちの一つでも続けていれば、今頃、秋の夜長をもう少し豊かに過ごせていたかもしれません。
 学生時代は体育会系と云うか、スポーツに明け暮れていました。夏はテニス、冬はスキー、夜はアイスホッケイ(スケートリンクの営業が終わってからの練習ですので、夜でも怪しげでは無く、真面目でこうなります)。又々、自慢多らしいですが、これも結構腕が上がって国体に出たりしました。
 しかし、医者になってからは、すっかり遠のいて、OBとして関連を続けることもしませんでしたので、今はまったく無縁になっています。アイスホッケイ連盟愛知県支部の役員などになっていれば、それはそれで、やりがいがあって楽しかったかもしれません。
 唯一、文科系の趣味としては、当時若者の間で人気のあったギター(何時の時代でも若者には人気があると思いますが)を少し自己流で練習した程度でした。
 友人達には、多趣味な人が多く、しかも皆造詣が深くて、趣味の域を超えている人も居ますので、こう云うのは大変弁解がましいですが、医者になってからは臨床と研究、そして三日に一度の当直と、仕事仕事の毎日でとても週一の習い事など出来る状況ではありませんでした。
 開業してからは、なお更忙しくなり、とても趣味に時間を割く余裕など無かったし、又そんなことにかまけていてはいけないと思っていました。
 そんな訳で、この年になっても他人に話せる趣味も無い、ただ“無芸大食”の面白みに欠けた、奥の浅い人間になってしまいました。
 そう、秋の夜長のもう一つの楽しみは食欲の秋で、秋の味覚を満喫することですが、残念ながら、唯一の芸(趣味?)の“大食”も12年前に胃の全摘手術をしてから細くなり、術後の栄養不足の為か、その頃から歯も悪くなって、入れ歯状態になってしまい、上手にものが噛めなくなりました。味も繊細なニュアンスが解からなくなったので、評価に自信を持てなくて、若い時から継続中の趣味(これは趣味と云うより道楽か?)のグルメ探索も、今一積極性に欠けていました。
 しかし、約1年半前に、当院の再生医療科でオールオン4のインプラント手術を受け、これが成功して(詳しい治療の内容は以前にこのコラムに書きましたので参照してください。“第34回 1年の計は元旦にあり!今年は「煌」”の後半部分。もっと詳しく知りたい人は、当院ホームページ“日帰りインプラントオールオン4/6”をご覧ください)、3ヶ月位後からは、義歯であることも忘れて硬いものでも何でも食べれるようになりました。そして微妙な味も甦ってきました。実は私が上手く行ったので、同じような状態で悩んでいた友人(インプラントを入れたくても歯槽骨が細くて打てないと云われていた)にもこの手術を勧めました。彼も効果抜群で“このグラリともしない歯の感覚は何時以来だろう”と感謝されています。お陰で、この秋は“味覚の秋”を彼とも一緒に満喫しています。
 余談ですが、しっかり噛めるように成った性でしょうか、胃の全摘手術後、少しも増えなかった体重が急に増え出しました。それは有難いのですが、拙いことに増えた分は全部腹に付いたようで、最近ベルトがきつくなりました。もうひとつ思わぬ副効用として、喋り易くなり、昔のように、歯切れ良く、早口でキップの好いしゃべり方が出来るようになりました。その代わり歯軋りも復活してしまいました。
 何はともあれ、せっかくの秋の夜長を唯テレビ観戦だけでは何とも能がありませんので、一念発起して“60の手習い”ならぬ“70の手習い”を始めようと真剣に考えています。
 何を始めようかな〜。以前カジッた水墨画はどうかな? どうせなら、一句捻って絵も付ける俳画などはもっと粋で素敵だな・・・。
 私のような甲斐性無しは、一人だと三日坊主に成りそうですから、誰か一緒に習ってくれる人いないかな〜・・・。
 
 
星ヶ丘マタニティ病院 理事長 近藤 東臣  
 
 
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