第13回 電子カルテ導入で大騒動 2007年4月20日  
 
   この4月、新年度から当院もやっと電子カルテを導入しました。導入に至るまでの約半年間のテンヤワンヤの顛末記をお話します。発端は今まで使用していたレセコンが寿命で新しい機能に対応出来なくなり、交換の必要性に迫られたからです。どうしても変更しなければならないのなら、単なるレセコンの変更では無くて、この際いずれは法的にも規制されるであろう電子カルテにバージョンアップしてはどうかと云う意見が院内で出始めて、取り敢えず電算化委員会を作って検討することになりました。
 余談ですが、最近は何でも委員会を立ち上げて皆で検討するのが当たり前になりました。別にこの方法を否定する訳では有りませんが、事が決まるのが遅い上に、独創的な結論になり難く、何か歯がゆい思いがします。それに引き換え、昔は何でも私の独断即決だったので簡単でした。その結果時々失敗もあったりして、多分そのことでは皆に嫌われていたのだろうと今になって危惧していますが・・・。
 それはとも角、委員会がスタートしたのは、去年の9月でした。案の定、最初は意見百出でなかなか方向性が出ませんでした。おもに事務、薬局系は便利になるからと賛成、逆に医師、看護師系は仕事量が増えるのではないかと反対だった様です。しかし大前提は自分たちの有利不利では無く、患者さんの為になるかどうかです。その点では、上手に機能すれば患者さんの待ち時間は減り、処方や検査指示の写し間違いも無くなるこの方法は、当然患者さんの為と云う大義名分が立ちますから、最初から結論は出ていたようなものですが、それでも暫らくは会議は踊るでウダウダと楽しんでいた様です。しかし、だんだん期限が迫って来て、いつまでも堂堂巡りをしては居られなくなり、やっと出た方向性は、どうせお金を掛けるのなら一歩前進して、電子カルテ、それが難しくても、少なくともオーダリングまでは進もうと云う事でした。次は機種選びです。これが又大変でした。というのも大病院向けの大型機種か、個人診療所用の小型機種はあるのですが、当院のような中途半端な規模の病院に合うような機種は既存のものではなかなか見つからなかった為です。勿論大型機種を買ってその一部のみを活用するような贅沢をすれば一番使い易いのですが、それではコストが掛かりすぎて採算が合いません。かと言って小型機種では機能が足りません。さあどうするか・・・。ここで又議論沸騰で時間ばかり過ぎていきました。そしてやっと機種が決まったのが今年に入ってからでした。しかしそれからは様子が変わりました。最初は多分嫌々参加していた電算化委員会のメンバーもいつの間にかはまり込んでやる気になって、デートも断って(?)夜遅くまでディスカッションを繰り返し、あっという間に基本構想を練り上げてシュミレーションが出来るようにしてくれました。ところで今まで、様ですとか、してくれたとか、婉曲的に書いていたのは、今回のプロジェクト委員会は当然ながら院長の石丸先生が中心となって組織されており、私はオブサーバー的な立場で助言する程度にしたので、ここまでは通常の会議には出席せず、後から報告を受けるようにしていたからです。しかし、実際にデモ機が来てからは、委員会のメンバーだけでなく、この機器に関る職員たちが私も含めて全て、真剣にシュミレーションを繰り返し、ミーティングにも積極的に参加する様になりました。面白いことに最初は一番反対していた婦人科の医者たちも一杯アイデアを出して少しでも使い易いように工夫を重ね始めました。特に最後の3週間は職員皆が一丸となって、時間内は勿論、時間外でも暇を作って、夜遅くまで自主的に取り組んでいました。そんな職員の姿を見て、うちの連中は素晴しい奴らだと、心から嬉しくなりました。思えば30年位の間にこの病院は何度も大きな変革をしました。建物の増設をしたり、科を増やしたり、その他、色々な改革をしてきました。今までは最初にアイデアを出して号令するのは私でしたが、後は少しでも皆の力を借りようと思い、幹部職員を始めスタッフがその気になるように仕向けました。それもトップの仕事の一つであり、そのプロジェクトが成功する大きな要因だと考えていたからです。今、私と長い間一緒に仕事をして来た、石丸院長を始め、今度のプロジェクトの実質的なリーダーである、井口副院長や、中山ジェネラルマネージャーが同じように職員をその気にさせてはまり込ませているのを見るにつけ、いつの間にか私の手法を会得して、無意識に使っているのだろうと思い楽しくなりました。一方乗せられて、自分自身の事のように真剣に取り組んでくれた職員たちは、きっと“あそこは私が打ち込んだとこだ!”とか“ここは私のアイデアが生かされたとこだ”とか、今度の電子カルテコンピューターにはそれぞれの思い入れがあちこちに詰まっている手作り的なものになりました。
 スタートして約半月経ちますが、職員一人ひとりの思いのこもった電カルは難産の割には元気に、しかし時々まだヤンチャを云いながら歩き出しています。
  最初に書いて、患者さんのご理解を得ておくべきでしたが、電カルに職員が慣れるまで待ち時間が少々長くなるかも知れません。知れませんでは無くて長くなります。又医者がパソコンと睨めっこしていて患者様の顔を見ないで話すようなことが起こるかもしれませんが、どうか暫らくは大目に見てください。早く慣れて上手に機能する様にさせます。そうすれば検査や薬局、会計の待ち時間はかなり短縮されて皆様の役に立つと思いますから。
 
 
星ヶ丘マタニティ病院 理事長 近藤 東臣  
 
 
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