2012年1月20日
第70回
理事長コラムが塵も積もって70回
今年は辰年!! 世間の論調では、いつもの辰年以上に今年は昇り竜を期待しているようです。それと云うのも、昨年が東日本大震災など大変な年で、しかも、日本だけでは無く世界的にも天変地異や経済恐慌などが続き暗い1年だったせいだと思います。
実は私は辰年で今年が何回目かの年男ですので(正確には6回目)、個人的にも昇竜と成る事を大いに期待していますが、しかし、今年の日本は放射能の後遺症がまだまだ続くでしょうし、その他、経済的にも政治的にも難問山積でいくら“辰年”と云えども、あまり過大な期待は負担に感じるでしょう。一方、個人的にはこの年になると昇り竜と云っても現状維持で充分昇竜なのかもしれません。健康で、元気に趣味や仕事が出来ればそれで満足すべきでしょうが、でも本音は12年ぶりの年男ですから、少し位良い事が起こって欲しいと期待してしまいます。
ところで、ここまで書いていて、“辰”と“竜”もう一つ加えて“龍”との区別はどう使い分ければ良いのかハタと迷いました。聞きかじりで信憑性は今一ですが、“竜”は中国人が創造したもっとも神聖な架空の生き物で、神霊の観念を形として表した物だそうです。鳥やけもの、水棲動物、自然や天象の精華を一身に集め、ヘビの頭、シカの角、ウサギの眼、ロバの口、ヘビの体、魚のウロコ、タカの爪、馬の歯などを持っており、空を飛び、道を走り、さらには水中も泳ぐことができるとの事です。西洋で云う“ドラゴン”も同じような架空の生き物ですが、それよりもっと神聖な想定です。
その神聖な生き物“竜”を十二支の一つに入れるのは当然だと思いますが、十二支は時を表すので、年・日・時刻・方位などを表す言葉の“辰”で表現することになったそうです。“龍”は人名用の漢字で、もともと“竜”から発展してきたものと云われていますが、逆に“竜”は“龍”の略字だと云う説も有り諸説紛々で難しいようです。
余談ですが、中日ドラゴンズの“ドラゴン”は“竜”と表記します。もちろん今年の高木ドラゴンズも昇竜になって3連覇を果たしてくれるよう期待しています。
やっと本題に入ります。毎月積み重ねて、フト気付けば今回が第70回目の理事長コラムになりました。院長コラムの13回を加えれば足かけ8年、83回も書いた事になります。塵も積もればと云う事でしょうが、我ながらよく続けられたものだと感心します。その中の何篇かは自分でも良く書けていると自己満足するものもありましたが、逆に何篇かは、情けない駄弁を長々と並べていて恥ずかしくなるものもあります。
院長コラムの第1回に、“あまり肩苦しいものや、学問的過ぎるものではなく、お産のことや病院のこと、優しく心温まること、楽しくユーモアに富んだこと、等々を多少の皮肉や、風刺を交えて徒然なるままに書けたら良いと思っています。”と意気込みを記しています。しかし、産婦人科ネタと云うのは、楽しくユーモアに富んだ書き方はなかなか難しくて、一つ間違うと卑猥になったり、下品になってしまいます。このコラムの対象の方々には、これから妊娠、分娩をする、あるいは子育て中の若い女性を想定していましたので、その皆様に嫌悪感を持たれないように、しかも正しい知識を楽しく読んでもらうために、それなりに腐心した積りですが、果たして通じましたかどうか・・・。
それと8年も続くと毎月毎月アップデートな産婦人科的話題がある訳もありませんし、そもそも産婦人科の病気はそんなにたくさん無いので基本的な話題はほぼ尽きてしまいます。そこで時々私の好きなスポーツの話、旅行や、食べ物の話などを挟んで繋いできましたが、今ではそちらの方が多くなってしまったようで気が引けます。
又、“コラムで2000字以上も書くのは長すぎる。600字~800字なら一気に読めるが2000字以上では休憩が入り、下手をすると以後読んでもらえないかもしれない。大体一つの事を伝えるのに800字以内でまとめられないのは頭の悪い証拠だ”と何時も思いながら、今回もそうですが書き出すとついつい余分な事を書き加えて長くなってしまいます。そんな反省もあり、ネタも尽きてきたし、マンネリ化もしているので、内心ではそろそろこの辺で一区切りつけようかと考えていました。
ところが、嬉しいことに、このコラムの1ヶ月のヒット数が昨年の12月にとうとう4000の大台を超えたことが解りました。これは当院のホームページ項目別ヒット数の第3位に入ります。この数がこの種のコラム(ごく普通の病院のホームページで特に有名人でもない理事長のコラム)の数として多いのかどうかはわかりませんが、でも月に4000人以上の方々に読んでもらっているかと思うと(開いてもらっているだけかもしれませんが・・・)胸にキュンと響きます。先日もある会でお合いした初対面の人から”先生のコラムを読ませてもらっています。なかなか面白いですね“と云われました。患者さんだけでは無く、見ず知らずの男性にも読んでもらっているのかと嬉しくもなりましたが、反面いい加減な事は書けないぞと身の引き締まる思いもしました(もちろん、今までもいい加減な事を書いていた積りはありませんが・・・?)。最初はせっかく書いても職員が義理で読む以外に読んで下さる人がいるだろうかと心配していましたので隔日の感があります。
今どき珍しい右肩上がりの結果を知って、萎える気持ちから逆にモチベーションが上がり、もう少し続ける気になりました。
新たな気持ちで頑張りますので、愛読者の皆様、今年もお付き合いのほど、よろしくお願いいたします!。