2018年10月19日
第151回
世界最古の宿に泊まった!!
 喫緊のトピックスは何といっても本庶・佑先生がノーベル医学生理学賞を取られたことだと思います。我々医学者の間では、第4のがん治療法と云われる免疫療法の可能性について随分前から話題になっていました。しかし、なかなか臨床の場で応用されるところまでは行かず歯がゆい思いをしていました。
 ところが2014年にオプジーボという皮膚がん(悪性黒色腫)に対する免疫治療薬が発売されました。これは凄い、遂にがんに対する免疫療法がスタートした、画期的な発明だと感激していましたが、早々にノーベル賞受賞が決まり喜ばしい限りです。
 研究の内容やオプジーボの薬効などについては散々報道されましたので、今さらの解説は省略しますが、私と同世代の先生が未だに現役でバリバリ研究を続けていらっしゃることに敬服します。
 そろそろ引退をと考えていた私も新たな勇気をもらってもう一花咲かせる気になりました??。趣味も多彩でゴルフではエージシュートを狙っていらっしゃるとのことです。そちらも見習いたいが無理かなぁ・・・。
 本庶先生、長年の研究の成果が報われて本当におめでとうございます。

 話は変わって、先週の土、日に病院旅行で山梨県の秘境、西山温泉郷の慶雲館へ行ってきました。ここは病院から5時間弱もかかった遠い深山幽谷の一軒家でしたが、飛鳥時代の慶雲2年(西暦705年)に藤原鎌足の長男、藤原真人がこの地に流浪して発見、開湯したことに端を発し以来千三百余年一度も涸れることのない源泉に恵まれて、往時の都人や武田信玄などの武将をはじめ多くの人々に愛され続け現在まで途絶えず営業している源泉掛け流しの旅館で、世界最古の開業ホテルとしてギネスにも認定されているところです。
 流石に飛鳥時代の建物はありませんでしたが、日本建築の粋を集めた宿で、温泉も素晴らしく、料理も山菜中心で最高でした。旅行サイトで高得点なのもうなずけます。
 今、高速道路を使っても名古屋から5時間もかかる秘境へ、昔の人は何日もかけてよく行ったものだと感心します。天武天皇も行幸された記録があるそうですが、日本人は古今を通して湯治のためなら千里の道も厭わないようです。
 翌日は朝霧高原でバギーを蹴って草原を疾走しました。と書くと広い草原を縦横無尽に走り回ったように思われるでしょうが、実際は先導車についてそれほど広くない草場のコースを何周も回っただけでした。それでも皆さん結構興奮して楽しんでいました(私的にはもう少し自由に駆け巡りたかったので、ちょっと物足りなかったですが・・・)。
 今回の旅行のもう一つの目玉は富士山を一周して全方向から富士の表情を比べようと云う志向でした。最初は富士山を西から見ながら北上し、次は本栖湖から河口湖、山中湖方面抜けて北から観察し、続いて御殿場方面に南下して東から眺め、最後は御殿場インターから東名高速道路に入って名古屋に向かい、南から富士山を鑑賞すると云う、富士の景観を一気に四方から眺めて楽しむ狙いでしたが、当日は生憎、降ったりやんだりの曇り空で、とうとうどの角度からも富士山は顔を出してくれませんでした。
 ”みんなの心掛けが悪いからだ”とボヤいていましたら、バスガイドさんが”富士山は美人が多いと恥ずかしがって隠れてしまうんですよ”と慰めてくれました。
 なるほど、そう云われてみれば確かにうちの職員は美人揃いです!?