2022年9月20日
第198回
100歳越えが9万人!!
最高齢は115才の女性だそうです。そして全体の88.6%、80,161人が女性で、男性は10,365人、11.4%に留まっています。
人生100年時代に入ったとオーバーに報道していたところもありましたが、まだ1,000人に1人にも満たない0.72人ですので、何処のご近所でも見かけると言うところまでは行きませんが、それにしても我々の若い頃には考えられない時代になりました。
厚労省の担当者は「医療や介護の充実が増加の要因だ」と言っていますが、それだけでは無くて、戦後の高度成長期頃からの食生活の豊かさとか社会環境の良化などが基礎にあったと思います。
100歳越えは女性の方が多いだろうと予想はしていましたが、9割が女性とは驚きました。私もこのコラムでお産の苦痛に耐えて、なお子育ても仕事もこなし、男にはない更年期の激変にも順応する女性は強い、丈夫だと何度も書きましたが、それにしても、圧倒的に女性が長生きできる強さの秘訣は何でしょう。男もそれなりに頑張っているのに9対1は差が有りすぎてチョット可哀そうですね。
100歳越えの超高齢はお目出度い話ですが、皆さん健康でいらっしゃるのか気になります。以前にも述べましたが、平均寿命と健康寿命の差が男性で約9年間、女性で約13年間あります。この間が要介護。即ち他者の支援が必要な期間というわけですが、今はただ長寿だけではなく、如何に健康寿命を延ばすかに努力が注がれています。これから100歳を目指す人は介護を受けない自立した100歳になれるよう日頃から鍛えておいてください。
因みに、最高齢の女性は3食しっかり食べること。口を動かすことが長寿の秘訣だと話され、男性最高齢の人は、健康の秘訣は人を愛することだと語っておられたそうですが、二人共今は特別養護老人ホームで暮らしておられるので介護は必要のようです。
一方、厚生労働省は厚労白書で、2040年には全就労者の18~20%(現在は12%)が医療・福祉の分野で働く必要があるとの推計を出しました。人口減少が続いているのに、医療・福祉の就労者を増やせと言うのは介護を要する超高齢人口が増えるのを予測してのことだと勘ぐってしまいます。
フランス映画の巨匠ジャンルック・ゴダール監督(91歳)がスイスの自宅で「自殺ほう助」により死去したという記事が載っていました。スイスでは一定の条件下で医師の処方した薬物で自ら命を絶つことが認められており、彼は生活に障害となる病気に罹ったためにこの方法を受けたということです。日本では安楽死は認めれれていませんので、現段階では無理ですが、これから増々超高齢時代になると、自分が人生を全うしたと思ったら、ある一定の条件のもとで、寝たきりになる前に、認知症になる前に、自ら人生の終わりを決められる制度が有っても良いような気がします(極論だと批判されるかな)。
余談ですが、先輩のお医者さんが、随分前(ご自分が60何歳の頃)に「最近は平均寿命が延びて俺も80歳位まで生きそうだから、80までの人生設計を立てた。これ位備えておけば十分だろう」と得意げに話しておられました。ところが現在90歳を過ぎてもまだ生きておられて、最近お会いした時に「近藤君、私は予想以上に生きちゃって備えも底をついて困っておる」と冗談とも言えない口調でおっしゃってました。未だ矍鑠としていらしたし、笑い話では済まなくなってしまうかもしれません。
でも100歳の仲間入りをしてください。お手本を見せてください!