2025年1月20日
第226回
今年は巳年。脱皮で復活と再生だ!
 例年のごとく、遅ればせながら、“愛読者の皆様、新年あけましておめでとうございます。今年が皆様にとって良い年になりますようお祈りいたします”。

 今年は巳年。一般的には、復活、再生、脱皮など蛇の習性に擬えて、強い生命力につながる縁起の良い年と言われています。しかし、世界情勢は戦争や紛争など各地で混沌とし、アメリカの大統領がトランプ氏になることでアメリカファーストの政策が予想され、日本経済も必ずしも良い年とはならないような状況ですので、各界の首脳の年頭の挨拶でも、蛇の習性を強調して再生、復活、脱皮して強く生き抜きましょうと言うような願望的な挨拶が多くみられました。

 さて、我が病院ですが、今年も少子化の波は変わらないでしょうから、産科の分娩数は影響してくると思います。一方で小児科、内科など他科が実力を付けて来ました。勿論産婦人科中心の周産期病院であることには変わらないですが、加えてそれぞれの科が特徴を持った病院に進化するように脱皮したいと考えています。再生、復活と言うほど傾いてはいませんが、当院も巳年にあやかって、脱皮し、強い生命力で前進して行きたいものです。

 個人的には、診療を引退しましたので、現在は作家活動や、水墨画作成とか芸術方面に活路を開こうと頑張り中です。昨年も「妊娠・出産のホント」と言う一般読者向けのアンサー本を出しましたが、残念ながら、あまり売れていないようで反響がありません。
 海堂 尊(彼も医者)の「ジーン・ワルツ」と言う同じように妊娠・出産を扱った小説があります。同じテーマですので、同じような医学的説明がたくさん出てきます。例えば、排卵、授精、着床など妊娠初期の医学的な説明の部分でも、悔しいけれど、客観的に見て彼の方が一日の長があります。しかも小説の中の一部として出て来るので物語性があります。
 私のように一般論として説明しているのとは、読者を引き付ける吸引力が違うと感じました。弁解する訳ではありませんが、私の場合はQ&A型の手引書ですので、物語性に乏しいのは仕方のない面もあります。
 数日前には直木賞、芥川賞の発表がありました。3人の作家が受賞していましたが、解説を読むと皆調査取材を十分にしたうえで余裕をもって文書化しているようです。何か書こうと思ったらその辺の努力を怠ってはいけないと感じました。
 直木賞を目指して、そこまで行かなくても、せめて少額でも印税が入る作家となるように、今年こそ再生、復活、脱皮したいと思います(急に望みがショボくなりましたが)。
 皆さま、応援してください。何よりの応援は本を買っていただくことです。よろしくお願いします!!