2024年8月20日
第221回
パリ・オリンピック 素晴らしい!
 辛口スポーツ評論家の私としては今月の理事長コラムのテーマは当然パリ・オリンピックです。しかし、これだけ日本選手が活躍すると何を取り上げて書けば良いのか却って迷ってしまいます。
 なんせ金メダルだけでも20個、銀12、銅13で総計45個です。もちろん金は優勝者で最も輝いていますが、金に負けない感動的な銀や銅もありました。一方で約3週間の長きに渡ったため、最初の方の競技のことは詳しい経緯を忘れてしまいました。今月は一杯書く事があって困ると思っていたのに正確に書けなくて逆に困っています。
 こういう時、何時もは役立つのが新聞ですが、今回に限り私が入院した時に配達停止にしていて、そのままになっていたので家に残っていません。それに病院の新聞は毎日処分してしまいます。負の連鎖が重なってしまいました。(私事の弁解はどうでも良いですね)
 数ある感動シーンの中で、私が今回選んだのはマッチポイントを取りながら結局負けてしまった二つのシーンです。

 一つは、男子バレーの準々決勝イタリア戦です。第1、第2セットを連取して第3セットではマッチポイントまで行きました。同じイタリアのセリアAで活躍している西田選手や石川選手が居る日本チームが本場のイタリアチームを3対0で破るかもしれないと期待しましたが、最後の1点が取り切れず落してしまいました。
 アナウンサーが“苦節8年やっとベスト4が実現します”とかポイントを取る前に言うので(そんなことは取ってから言えよ)と苛立って見ていたら案の定取れませんでした。(それ見ろ!余分なことを言うからだ)。
 その後第4セットも落としてしまい、ファイナルセットになりました。そこで再びマッチポイントが来ましたが、この時も又アナウンサーが同じようなこと言うので(まだ早い。勝つまでは謙虚に、相手にリスペクトだ)とテレビに向かって怒鳴ってしまいました。
 結果は3ポイント連取されて逆転負けしてしまいました。ネットタッチとか普段は犯さないようなミスもありましたが、最後の詰めの甘さと言うか、やはり底力の差を感じました。(それ見ろ、お前がおかしなことを言うから負けたんだ。もっと謙虚に願いを込めた言い方をしろよ)。(ムカつく)。
 久しぶりにゲームに興奮しまくり、挙句に負けたのでアナウンサーに八つ当たりをしてしまいました。

 もう一つは女子卓球の団体決勝戦、初戦のダブルスです。日本は何時もの平野、早田ペアではなく、早田と新鋭張本が組んで出場しました。相手は中国No1ペアです。
 新鮮ペアなので善戦はするのかな程度の期待感はありましたが、どうしてどうして互角以上に戦い、とうとう5ポイント差でマッチポイントまで来てしまいました。幾ら日本に厳しい慎重な私でもさすがにもう勝ったと思いました。
 普通卓球では9ポイント先に取れば90%位そのセットは勝てると言うのが私の実感ですが、実感だけではなく統計的にも大体そうらしいです。ところが今回は5ポイントも差をつけて9点ではなく10点、マッチポイントまで来たのです。もう勝てると誰でも思ったと思います。
 しかし、そこから7ポイントも連取されて負けてしまいました。次は取るだろう、この次はもう取るだろうと、ハラハラしながら見ていて、かなり心臓に悪い時間が続きましたが、結局1ポイントも取れませんでした。
 中国ペアが強かったと言えばそれまでですが、普通はあり得ない負け方だと思います。団体戦としては結局0対3で完敗でしたが、初戦のダブルスを勝っていれば局面は変わっていたかもしれません。
 結果は残念でしたが、私をしっかり興奮させてくれた1戦でした。

 勝った人、負けた人、いずれも日本選手団は良く頑張り我々を楽しませてくれました。普段はあまり見慣れないマイナースポーツも結構強くてメダルを取ったりしたのでビックリしました。日ごろあまり日の目を見ないマイナーな競技を、ここ迄仕上げた関係者の皆さんの努力は凄いと思います。
 皆さん、ご苦労様でした。ありがとうございました!!