2009年8月20日
第41回
終戦記念日。終日テレビ観戦記
元々お盆とは祖先の霊を祀る行事の様ですが、最近の日本では8月15日を中心にお盆休みを取って、故郷へ帰ってお墓参りをするのが習慣となっています。私もお盆休みは取りましたが、帰る故郷が無いので、(私の祖先は愛知県豊田市の出身ですが、父の代に名古屋に移転したので今は帰る故郷が有りません)今年は木曽駒高原へ避暑兼ゴルフに行き、渋滞に逢わない様に予定を少し早めて帰って来ました。話は変わりますが、木曽駒高原のトウモロコシが美味しいのをご存知ですか。ホテルで食べたトウモロコシがとても甘くて美味しかったので訊ねたら、現地ではかなり有名で、生産者も解るブランド物もあると云う事でした。そこで職員のお土産用に朝収穫したばかりの新鮮な物を、お盆明けに病院に届くように注文しました。予想通り、このお土産は甘くて美味しいと職員に大好評で一点稼ぎました。皆さんもぜひお試し下さい。
さて毎年お盆の時期は広島、長崎の原爆投下、そして終戦記念日と続きますので、戦争に関するテレビ報道が多いのは当然ですが、今年は極秘データの公開など、ドキュメンタリー的なものが特徴的な様でした。中でも私が興味を持ったのは、海軍の軍令部の反省会の録音テープを基にした番組でした。内容についての是非はとも角、こんな事が戦後に行われていた事にびっくりしました。一方で今年は選挙が絡んでいるので、政策論争の中で国の安全保障について、きな臭い論議がなされていました。非核3原則を見直すべきかどうかをテーマとした市民参加討論番組があり、賛否両論が出ていましたが、見直すべきと云う立場の人も皆戦争回避を前提として話を進めているのを聞いてホットしました。このコラムで、私の政治的信条や、主義主張を押し付ける積りはありませんが、でもこれだけは声を大にして云わせてください。“戦争はもう終わりにしよう”。そろそろ人類の英知と理性を駆使して武力に訴えない解決の方法を見つけたいものです。両親の深い愛情と母親の命を賭けたお産の頑張り、そして少しは我々産科医も役立って得られた大切な命を粗末にしないで欲しい。少なくとも戦争などと云うおろかな事で落として欲しくないと生命の誕生に携わる仕事をしている者として切に思います。
話が堅くなりました。話題を変えましょう。あの日のトップニュースは全国の高速道路の渋滞状況でした。テロでもなく、戦争でもなく、サービスエリアで、渋滞の様子を話す親子のインタビュー風景でした。こんな事がトップニュースの日本は本当に平和で何よりです。ただ台風9号による東名高速道路の土砂崩れの復旧が最初の予定より遅れている事に対して、お盆の帰省ラッシュに間に合わなかった事を、責める様な口調で質問していたレポーターだか、報道記者だかがいました。天変地異ですので、突然に起こった事で程度も範囲も解らないだろうし、当初の予定通り行かなくても仕方が無いと思います。それよりも不十分な工事をして二次災害でも起こしたらその方が問題でしょう。レトロスペクティブに、結果を見てから、ああだ、こうだと批判する態度に腹立たしいものを感じました。それに対して東名高速道路の社長が謝っていましたが、何も社長が頭を下げる事では無い様な気がします。テレビの報道者の中には俺が正義だと言うような傲慢な態度で取材している人が時々いますが、もっと謙虚になってもらいたい物です。それから、遅い時間に沖縄で新型インフルエンザの患者さんが日本で初めて死亡したと云うニュースが流れました。厚生労働省は、新型インフルエンザウイルスの毒性の変化ではなく、感染のすそ野の広がりが患者の死亡につながったと云う見解のようです。しかし夏に、しかも、もっとも暑い沖縄で多発している事は解せません。やっぱりウイルスの強毒化も考えなければいけないかも知れません。又、重症化しやすい基礎疾患を持つ患者や妊婦の感染予防が必要とも云っていますので、妊婦さんは特に気をつけて下さい。
それにしても一日中テレビを見るのも疲れますね。姿勢も悪くて腰は痛くなるし、間食はするし、カミさんに色々云って煩がられるし。もしリタイアしてこんな日が何日も続いたら私はどうかなってしまいそうです。出来るだけ長く現役を続けて、こうして理事長コラムを書くためにパソコンに向かって悪戦苦闘していた方が楽しい様です。頑張ります!