2024年9月20日
第222回
これからはアンチエイジングの時代?
 私も年取ってさすがに物覚えが悪くなりました。もの覚えが悪くなったと言うより物忘れが激しくなったと言った方が正しいかもしれません。
 新聞やテレビを見ていて、あるいは街で遭遇した出来事で、今月はこれを話題に理事長コラムを書こうと思っていても、その時すぐ書き留めておかないと、いざ書こうとした時にはテーマを忘れてしまっています。
 年は皆平等に取ります。そして情けないことですが能力も衰えていきます。そんな自然の摂理にあがなおうとするのがアンチエイジングです。今回はそのアンチエイジングにまつわる女性の話題です。

 女性の皆さんは年齢に関わらず若い内から美顔とか美肌には特別に気を配ってケアをしていらっしゃると思いますが、更年期症状が出て来院される方の中に、最近はホットフラッシュなど更年期の症状の改善だけではなく、若返りの方法についても質問される方が多くなりました。
 「更年期になってエストロゲンが極端に減ると言うことは、生理が無くなるだけでは無くて、見た目も急におばあちゃんになるってことでしょう。それは辛いですよねえ。急に老けたくないから、アンチエイジングの方法を教えてください」最近の患者さんはSNSで簡単に調べられるため、病気のことをよくご存じです。その分我々も一から説明しなくて済むのである意味助かります。
 「産婦人科としては、ホルモン補充療法で、急な老化や骨粗鬆症の予防をします。当院では形成外科で再生医療もしていますので、アンチエイジングのご希望があればそちらで詳しく説明します。もし、お顔の皮膚の張りを保ち、しわやたるみなどを防ぎたいならボトックスやヒアルロン酸注入法が一般的ですが、これは異物だからアレルギーなどの副作用も起こります。当院では自分の血液を培養して注入するPRP(自己多血血小板血漿療法)を行っています。これは異物を使用しないので、アレルギーの心配もなく効果も長持ちします。その他皮下に特殊な針金を入れて皺を伸ばす方法もあります。それから皮膚の染み抜きとか、眼下のクマ取りも出来ます」最近利用者が少ないので宣伝も兼ねてこの程度は説明します。
 「また更年期になると太りやすくなりますので、スポーツジムなどで筋肉トレーニングをされるのも良いでしょう」
 世間的に見ても、女優さんが何時までも美しさと若さを保っているのはある程度当然として、一般の人でも今の年配の人は皆さん年より相当若く見えます。更年期障害を訴えてくる患者さんも、顔だけ見たら(エッあなたが)と思いますがカルテの年齢を見て納得と言う感じです。
 統計的にはとも角、元気に活動されている80代以上の女性は身近にかなりおられます。一方で閉経の時期は昔と変わりません。延びていないと言うことは肉体的に進化したのではなく、医療の発達や薬も含めて栄養の改善、高齢者の健康意識の高まりなどが人工的に若さを伸ばしていると言うことになります。
 9月17日付けの中日新聞にも「高齢者は75才から?」と言う記事がありました。65才から高齢者と言う定義を伸ばそうと言うことです。男性も女性ほどではありませんが、やはり若く見えます。親の頃の75才より今の75才の方が10∼15年位は若く感じます。見た目だけでは無くて、体力も思考力も10∼15年位若い気がします。
 アンチエイジングとは抗加齢,抗老化と訳され、老化を遅らせ健康寿命を延ばすことを意味します。美肌やしわ取りもその範疇に入ります。今それが確実に進んでいるような気がします。
 皆さん、乗り遅れずに頑張りましょう!