第176回   新型コロナで妊娠届数激減!!
2020年11月20日  
 
 
 今年5月から7月に受理した妊娠届の件数が前年同期より11.4%減の204,482件で26,331件のマイナスだったことが厚生労働省の集計で分かりました。妊娠届は妊娠11週までに94%位が提出されますので、逆算すると2月から4月が最終月経で妊娠した人たちです。そこから計算すると今年の11月から来年1月の分娩が11%強も減ることになります。
 しかも、愛知県の減少率は全国平均を上回っていますので、ただでさえ新型コロナで患者さんが減っているのに、その上お産まで極端に減ることになっては愛知県の産婦人科施設にとって非常に深刻な事態となりました。
 第3波が始まった現在の新型コロナの状況を考えれば、今後も妊娠控えの傾向は続くと思われますので、今年の出生数は80万人台を割りそうで来年は70万人台も怪しくなるかもしれません。
 この急激な出生児減少は、国家にとって将来重大な意味を持つことになるでしょう。

 何故こんなことになったかと云うと新型コロナウイルス感染症による、妊娠、出産環境の変化。雇用情勢の悪化が影響しているとみられています。
 確かに当院でも、妊婦健診での同伴はお断りしています。分娩時も付き添いはお一人のみ、しかもPCR検査陰性を必須事項にしていますし、それでも分娩室での立会いは長時間になるのでお断りしています。その上、マスクをしたままで努責をかけるようにお願いしています(実際にはこれはなかなか難しいですが)。又、里帰り分娩の方には2週間の自主自粛後に来院して貰っています。正直云って、妊婦さんの側に立てば、こんな厳しい環境ではお産なんかしたくないと思われても仕方がないと思います。
 又、新型コロナの胎児への影響を心配されている方もいるでしょう。垂直感染は稀でしかも影響はないとされていますが、まだ充分な検証はなされていないので0とは云えません。
 基本的に妊娠して病院へ通うこと事態を懸念している方もいらっしゃるようです。病気で病院へ行くのは仕方ないが、病気でも無いのに妊娠して病院へ行って新型コロナをうつされては元も子もないと云うことですが、それもわかります。
 同じような理由で、不妊症の患者さんの中には体外受精のような受診回数の多い治療を延期する人もいます。
 一方で経済学者はコロナ倒産だの、コロナ解雇だのと毎日のように報道される経済環境悪化の中で、果たして子育てが出来るのかと不安を抱えている人が多いと指摘し、日本ではほとんどの夫婦が計画出産なので、新型コロナが終息して経済が回復するまでは出産は控えることになるだろうと予測しています。
 厚生労働省は妊婦へのオンライン相談や、育児支援などの強化を打ち出していますが、そんなことくらいでは、改善にはつながらないでしょう。

 実は”貧乏人の子沢山”と云う諺もあるように、家にばかり居て他にすることが無いと子供が増えると云うのが昔からの定説でしたので、外出自粛で接待や宴会が減りテレワークとかオンラインで家の中にばかりいると必然的に妊娠する機会が増えるはずだ、と産婦人科関連や少子化問題研究家の間では期待されていたのですが今回は見事に覆されました。
 コロナ過での妊娠、分娩、子育ての心配の方が上回って、本能よりも理性が勝ったと云うことのようです。残念?!。
 否々、最近はピルなど確実な避妊方法が確立されているので、日本男子を擁護する訳ではありませんが、本能に関係なくこの結果になったのだと思います(思いたいです)。
 
 
星ヶ丘マタニティ病院 理事長 近藤 東臣  
 
 
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