2019年10月21日
第163回
AIの時代を考える
さて、私の所属するロータリークラブが主催して来年の2月に地区大会を開きます。そのテーマが”AIの時代を考える”と云う大胆なものに決まり、現在準備に大わらわです。
AI(人工知能)は膨大なデータを記憶、分析し、日々進化を続けますので、処理能力は人に比べて膨大、正確で、しかも感情に左右されることなく早く冷静な判断を下します。もちろん、所謂ヒュウマンエラーも起きません。
又、ロボットと組み合わせれば、製造業の工場、小売業の店舗、飲食業の単純作業などは自動機械化出来ます。一方で事務系業務の8割は代替えされると云われています。働き方改革の面から云えば労働時間の削減には大いに役立つでしょう。これを第4次産業革命と云うのだそうです。
ちなみにAIとロケットなどの技術を駆使すれば、台風の進路を変えることなど簡単に出来るような気がしますが、如何でしょう。
AIは確かに素晴らしい技術革命ですが、一方で、人間しか出来ない仕事が未だあるのか。あるいは人間のすべき仕事はどの程度残るのか心配になってきます。今準備委員会の議論もAIの可能性の話より、生き残りの話の方で盛り上がっています。
先ず、電車運転士は要らなくなるだろう。一般的な事務員もほとんど要らなくなるだろう。しかし、お客さんと対応する窓口職員、コンシェルジェ的な仕事は残るだろうと云うことです。私も接客業は幾らロボットで出来ることでも人でして欲しいと思います。
段々、話が現実的になってきて、会計士や税理士の人達が、俺たちの仕事は一番危ないと危機感をつのらせていました。確かにAIの方が確実かもしれません。
まさかとは思いますが弁護士も危ない職業に入るそうです。AIは過去の判例データを瞬時に判別し今回の事件に合わせて的確に戦術を組み立てることが出来ます。その結果、裁判期間が短くなることは間違いないと思いますが、相手も同じことをやって来るので、裁判所での駆け引きは必要で、そこが弁護士の腕の見せ所だと思います。それとも判決までAIが出してしまうのかな。そうなると裁判所も要らなくなってしまいます。
翻って、医者はどうか。画像所見の見落としとか、種々のデータの判読による診断の誤診はほとんど無くなるでしょう。そして的確な治療方針を立てて処方もしてくれるので、内科系の医者は仕事が極端に減りそうな気がします。
外科系で手術となってもダヴィンチのようなロボットが働きます。今は医者が操作していますが、これをAIがプログラミングして操作すれば、医者らしい仕事はほとんど無くなり、患者さんに説明をして、同意書にハンコを押してもらうこと位になってしまうかもしれません。
しかし、お産はダヴィンチでは無理でしょう。十何時間もかかる分娩の過程では無機質なロボットの看護では無く、産科医や助産師の情のこもった励ましや、臨機応変の人間的対応が必要だと思います。だから産婦人科医は失業しないだろうと鷹を括っていますが、大丈夫かな・・・。
さて、こんな時代が何時来るのかについて、IT関係の人は5年位と云っています。それに対して、10年は掛ると実業の人達は希望的観測をしていましたが、いずれにしてもそんなに先のことでは無いようです。
私はもう歳ですから、そんな時が来れば引退して、時代の変化を傍観しておれますが、若い読者の皆さんは、5~10年後に迫る第4次産業革命に備えて、今から新しい仕事の在り方を考えておかねばならないと思います。
大変でしょうが頑張ってください!。