2018年3月20日
第144回
マスクは続く!インフルエンザ~花粉症
話は変わって、我々医療界では寒さが収まって、猛威を振るったインフルエンザがやっと終息したと一息つく暇もなく、今度は花粉症の季節がやって来ました。皆さん、なかなかマスクが外せないようで街にはマスク美人が溢れています。
マスクと云えば、最近は用途別に改良された高性能なものが販売されています。私は元々マスクが嫌いでどうしても必要な時以外はしませんし、それもごく普通のどちらかと云えば漏れ漏れのものしか使ったことがありませんので良くわかりませんが、最先端のマスクはほとんど外気をシャッタアウトするそうで気密性は優れているようです。でも、その分逆に息苦しい感じがしますが、使用感も改善されているのでしょうか?。
しかし、最先端マスクをもってしても花粉を完全にシャットアウトする訳には行かないようで、今年も花粉症の患者さんは大勢来院されます。
もちろん、妊娠中でも花粉は襲ってきます。ただでさえ、つわりで体調が悪いのに花粉症が重なってはとてもつらいと思いますが、妊娠中は薬を使えないと思っている人が多く、我慢されています。しかし、妊婦さんでも使える薬はありますので、我慢せずに積極的に治療してください。
花粉症は日本では主にスギやヒノキの花粉が原因となって、くしゃみや鼻水、目の痒みなどのアレルギー症状を起こす病気で、今や日本人の25%が罹っていると云われます。
スギ、ヒノキ花粉以外にも日本には60種類位の植物が花粉症を引き起こすと報告されており、開花期の季節が異なるので1年中花粉症が起こる危険性があります。
更に、口腔アレルギー症候群と云って、花粉のアレルゲンとよく似たアレルゲンを持つ果物を食べると口の中が痒くなったり唇が腫れたりする症状が出ることがあります。リンゴやモモ、キウイなどよく食べる果物で出るようですので気を付けてください。
花粉症は抗原花粉に対するアレルギー反応ですので、ある花粉に対する抗体が出来れば、何時でも発病します。ですから、今まで平気だった人が今年から急に花粉症になることもあり、自分は花粉症には関係ないと安心は出来ません。
私も昔は平気だったのに、4~5年前から春先に鼻がムズムズしてどうも花粉症になったようです。これには年齢による免疫力の低下も影響していると云われています。年は取りたくないですね。
対策としてはアレルゲンと接触しないことが第一なので、先ず外出時にはマスク、ゴーグルなどを付けて接触を極力控えることです。次は花粉を室内に持ち込まないこと。しかし、どうしても入ってきますので、室内の掃除が大事で、空気清浄機、加湿器の設置も効果があると云われています。一方で自律神経のバランスを乱さないような規則正しい生活リズムも大切です。又、免疫力を高める栄養バランスの取れた食事を心がけ、飲酒は避けた方が良いようです。
しかし、症状改善のためには、セルフケアだけでは限界がありますので、薬物療法が必要になります。毎年発病する人は症状が出る前から薬を投与する初期治療(予防投与)が症状を軽くする効果があるとして最近注目されています。妊婦さんも考えてみてください。
何はともあれ、花粉症の皆さんお大事に!!